AO入試って何?

昨年度から大学入試共通テストが始まるなど、大学入試を取り巻く環境が大きく変化しています。この記事では最新の入試動向を踏まえ、総合型選抜(旧AO入試)について説明していきます。

1.総合型選抜(AO)入試とは

2.学校推薦型との違い

3.どんな人が受けられる?受けるべき?

4.何をすればいいの?―総合型選抜(AO)入試対策について

5.「AO入試か一般入試か」ではなく、「どんな大学で何を学びたいか」が重要

1.総合型選抜(AO)入試とは

まずは総合型選抜(旧AO入試)について説明しましょう。

AOとはアドミッションズ・オフィス(入学管理局)の略で、元々はアメリカの大学で採用されてきた試験です。

ほぼ書類選考だけのアメリカとは異なり、日本で行われている総合型選抜(旧AO入試)は、「能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」(文部科学省による)です。

具体的な試験内容は大学によって異なりますが、ほとんどの大学で事前提出書類(志望理由書・活動報告書・自己推薦書など)が必要です。他に面接やプレゼンテーション、小論文、学科試験や実技が課されることもあります。総合型選抜入試の受験生はその大学を第一志望していることがほとんどですが、一般的には他大学を併願することが可能です。ただ一部の大学は専願制を採用していて、合格=入学になるので、入試要項を確認しておきましょう。

なお総合型選抜は9月に出願、10月に本試験、11月に合格発表という日程の大学が多いので、11月が試験の学校選抜型と併用することも可能です。

一般的に総合型選抜の倍率は高く、提出書類が多種多様のため、準備に時間がかかります。

2.学校推薦型との違い

一方、推薦入試と言われてきた入試方式は現在、「学校推薦型選抜」という名称になり、その中でも「公募制」と「指定校」に分かれます。

総合型選抜(旧AO入試)との違いは、他大学との併願が可能か、一定の成績基準が設けられているかどうかです。“推薦入試”は一般的に併願ができないことがほとんどで、学校の評定平均などの基準が設けられています。「高校での成績(評定平均)」によって志願者の学力を担保しているわけです。

学校推薦型選抜についても簡単に説明しておきます。「公募制(公募推薦)」は、評定平均や活動実績など一定の基準をクリアしていれば、出身高校に関わらず受験機会が得られます。

この基準があるため、志願者の学力が担保され、全国から広く受験生を集めることができる制度です。大学によっては事実上、公募推薦がAO入試の代わりになっていて、志望理由書の他に事前提出課題等が必要な場合があります。

「指定校制(指定校推薦)」は小論文や面接を実施してもあくまでも形式的なものであり、よほどのことがない限り、不合格にはなりません。

ただ指定校推薦の場合、必ずしも「大学側が求める学生」を高校側で推薦するわけではありません。指定校推薦は、過去に対象となる高校からの一般入試での合格実績が基になっているケースが多いですが、中には一般入試では合格が難しいからという理由で「推薦枠」を利用する場合もあるようです。基礎学力が不足していると、大学の授業についていけなかったり、国家試験に合格できなかったりと、あとで問題が生じてしまいます。

保護者の時代とは違って、今の大学は、授業で課す課題も多く、学生に「勉強させる」環境を整えようとしています。こうした環境では、学生にとって「興味がない」授業は苦痛以外の何物でもありません。「入りやすさ」だけを考えた受験校選びは禁物です。

3.こんな方は総合型選抜(旧AO入試)に挑戦してほしい

「総合型選抜」で合格するには華々しい実績がある人でないと難しいのでは?と思うかもしれません。

出願条件として数学オリンピック出場やアスリート入試など一定の競技歴が必要な場合を除き、実績として必要なのは活動歴(学校内外での各種活動)になります。活動歴はいわゆる非認知能力*をはかるバロメーターともなり、入学後の学修と社会での活躍が期待される人物だということを示すものです。大会やコンクールでの好成績がなくとも、次の条件に当てはまる方はぜひ総合型選抜に挑戦してみてください。

*非認知能力とは:学力(認知能力)に対して、測定できない個人の能力や特性(例:協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力など)を指します。

  1. 子どもの頃から興味を持って続けてきたことがある
  2. 知的好奇心があり、調べることが好きである
  3. 社会問題に関心がある
  4. 行動力がある
  5. 将来やりたいことが明確である

このうち「5.将来やりたいことが明確である」は、最も重要な要素です。

例えば、「理系で物理や数学は得意で、将来は〇〇の研究者になりたい。国公立大学を目指したいけれど、文系科目はあまり得意でない・・・」というように、将来やりたいことが明確だが、苦手科目が足を引っ張っているような方は総合型選抜に向いています。将来、その分野のプロフェッショナルや研究者を目指す受験生は、大学側が欲しい人材だからです。

ただ、①~④のどれかの条件は満たしていても、大学での学びに直結していないという方も大勢いると思います。この場合は、どんな大学の、どの学部・学科が向いているのかを探していかなければなりません。

また、上に挙げた要素からお分かりかと思いますが、実は「勉強嫌い」は総合型選抜にはあまり適していません。この点は、「総合型選抜は学力不要」という認識とは大いにズレがあるかもしれません。

4.何をすればいいの?―総合型選抜対策について

総合型選抜(旧AO入試)は、志願者の「学びたい理由」と大学の「こんな学生を採りたい」がマッチングすることが重要です。総合型選抜での合格を目指すなら、まずは志望する大学・学部・学科(コース)がどのようなカリキュラム・授業を提供しているのかを十分に調べる必要があります。

みなさんは新しい商品やサービスを購入する場合、事前に様々な情報にあたり、比較検討しますよね。選ぶ基準は人それぞれですが、「選ばれたもの」には何か他にはない利点・魅力があったはずです。こう考えてみると、大学を選ぶ場合、これまでは、偏差値や知名度など選ぶ基準はあいまいであったのではないでしょうか。

18歳人口の減少で大学間の学生獲得競争は熾烈です。あの手この手で何とか受験生に大学の魅力を伝えようとしています。これは歴史があって有名で立地もよく受験生集めに苦労しそうにない大学であっても同じです。むしろ、こういう大学ほどカリキュラムの改革や受験方式の多様化に熱心ですし、研究力・教育力を高める努力の他に、外部への情報発信も重視しています。情報発信力については、大学のウェブサイトを見れば一目瞭然です。訪問者別にわかりやすい構成になっているからです。

「総合型選抜を受けよう」と決まったら、まずは気になる大学のウェブサイトをチェックしてみましょう。

5.「総合型選抜(旧AO入試)・推薦」か「一般」かではなく、「どんな大学で何を学びたいか」

大学は最後の学校です。社会と直結し、大学で何をどれだけ学んだかによって、どれだけ社会で活躍できるかが決まります。入りたい大学・本気で学べる場所を探してください。

総合型抜は大きなチャンスの1つです。学ぶ意欲と出願条件を満たしていれば、誰でも挑戦できます。

しかし、人気校となると倍率も高く、準備にもそれなりに時間がかかりますし、合格が保証されているわけではありません。ただ準備の過程で、本当にこの大学に入りたい!というモチベーションがぐっと高まり、勉強への意欲も増します。

★一般選抜も視野に入れたあおい予備校のW(ダブル)対策なら、安心して総合型選抜にトライできます。「総合型選抜(旧AO入試)を受けてみようかな?」と思ったら、まずは一度ご相談ください。

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この記事を書いた人:武田 菜穂子(あおい予備校校長)

早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了。上智大学大学院(現 グローバル・スタディーズ 国際関係論専攻)修了。上智では日本人初の国連難民高等弁務官 緒方貞子氏に師事。県立高校教諭、大手証券会社を経て有名塾・有名予備校講師を歴任。

予備校講師歴35年以上。日経新聞など各メディアへの出演も多数。これまでに指導してきた生徒はのべ20,000名以上※。生徒一人ひとりの個性を生かした進路指導に定評がある。
※一般・総合型選抜(旧AO)、各種推薦など

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