総合型選抜(旧AO入試)で重要な小論文の書き方
小論文は総合型選抜(旧AO入試)及び学校推薦型選抜にほぼ必須です。
しかし、小論文を書いたことのない人にとって、「難しい…」と感じるものではないでしょうか。
苦手だという受験生は非常に多いです。
そこで今回は、そもそも小論文とは何なのか、書き方のコツはあるのか、そんないろはをお伝えしていきます。
◆目次
1.そもそも小論文とは
小論文とは、自分の考えや主張を説明、説得するための文章です。
どうして自分がその主張するのに至ったのか、なぜこれが正しいと考えるのか、客観的な根拠・理由をもって、順を追って説明していきます。
読み手にわかりやすく伝え、納得させ、共感してもらわなければなりません。
よく似たものに「作文」がありますが、作文と小論文は目的が異なります。
小論文は読み手を納得させるもので、作文は物語や心情を伝えるためのものです。
自分の主観で魅力を伝える文では、どんなに面白くても作文であって、小論文としては評価されません。
小論文はあなたの人間性を伝えるのではなく、論理的思考と記述力を試すための試験なのです。
これまで学校で書いてきた文章は多くが作文であったため、受験生の皆さんには作文の方が慣れ親しんでおり、小さな論文は書き方がわからなくなって当たり前なのです。
ですが、小論文はロジックに沿えれば誰にでも書けます。
書き方のコツさえ掴めば小論文は決して恐れるものではなく、高得点が期待できます。
2.小論文の書き方
では小論文はどのように書き進めればいいのでしょうか。 まずは5つのステップで紹介していきます。
●ステップ1「設問をよく読む」
まずは何が問われているかをきちんと把握する必要があります。
ここで焦って問われていることをきちんと把握できていないと、問いに対する答えにならない文章となってしまいます。
「地球温暖化に対して、日本にはどのようなことができるでしょうか」などといった質問があるとします。
これに対して、「私は地球温暖化を解決するために大学で〇〇がしたいです」というのは質問の答えにはなっていませんよね。
また、「地球温暖化では先進国が温室効果ガスの発生を抑えるために努力しなければならない」も「日本」に対する答えにも、できること、すなわち解決策の提示にもなっていません。
このように次のステップである自分の主張を明らかにするためには問いをしっかりと理解していなければなりません。
≪小論文の出題形式について≫
小論文の出題形式には、テーマ型、課題文型、データ・資料分析型などがあります。
・テーマ型は、短い問題が出題され、それに対して自分の意見を論述します。自分の知識から意見を述べる必要があるため、出題されていることへの理解や知識が必要です。
・課題文型は、課題文を読み、そこから自分の意見を述べていきます。課題文型の場合、要約を求められることが多く、筆者の主張の立場や社会の取り組みなどを明らかにした上で自分の意見を述べることが求められます。要約を作成する際には自分の主張を入れないように注意しましょう。
・データ型は、データや資料の分析を行った上での意見を求められます。グラフの読み解き、そこからわかることと意見を求められることが多いです。
●ステップ2「まずは結論を出す」
小論文の文章構成として一番初めに結論(意見や主張)を述べましょう。
たとえば設問が社会問題に対して賛成か反対かを尋ねる質問だとしたら、「〇〇〇〇には賛成です」など述べ、自分の立場をはっきりと示します。
課題はYesかNoで答えられるものだけではなく、自分で意見を設定しなければならないこともあります。このとき気を付けておきたいのは、持論にこだわらないことです。
小論文は最初に示した結論に論理的な根拠添えていきますが、結論には個性は必要ありません。
極端な話、小論文として成り立てば、自分自身の意見とは逆の立場でも問題はありません。
最初にはっきりと方向性が示されていると、そのあとの文章が読み手に取って読みやすいものになります。 小説ならば最後にどんでん返しも面白いですが、小論文は先にゴールを明示し、先を明確にわかりやすくして説明し、最後にもう一度結論を伝えます。
●ステップ3「裏付けとなる根拠をあげる」
小論文は意見に説得力を持たせるための証拠(エビデンス)をあげていきます。
主張に説得力を持たせるためには、客観的な根拠・理由をできれば複数(2、3点)挙げる必要があります。例えば、教科書で学んだことやニュース記事などがそれにあたります。
意見や主張を決める際にも、「なぜなら」「Why」にこたえられるものにしておかなければならなりません。
そのため、普段から学部や学科、時事問題に関する情報にアンテナを張っていく必要があります。
●ステップ4「文章を構成する」
既述の通り、小論文はまず結論から書き出しますが、文章の中も構成立ててから書き始めると頭の中が整理されて書きやすくなります。
小論文の構成パターンはいくつかありますので、自分の書きやすさや受験する大学の出題傾向に合わせて練習してください。
・3段階で構成する
小論文の最も基本的な構成です。序論、本論、結論の3要素で構成していきます。
序論はステップ2の結論にあたる部分で、問題提起や意見の提示を行います。
本論はステップ3で上げた根拠や例示をまとめていきます。
結論はまとめと、序論で述べた結論を再度述べます。
文量としては序論と結論はそれぞれ1割から2割、本論は全体の6割からというイメージで書いていきましょう。
・4段階で構成する
4段階の場合は、序論→本論1→本論2→結論となります。
取り組むテーマと自分の結論に反対意見や別の視点がある場合は、起承転結を意識すると良いでしょう。
導入として問題を提起し、承ではそれに対するあなたの立場を明らかにし、具体的な内容の説明もします。
転では話題転換で異なる視点の立場ならこう考えるであろうことや新たな発見などを取り入れます。
そして結論で話をまとめます。
・ほかの構成の仕方
細かく想定しておくことも良いでしょう。例えば、1自分の意見や主張→2それに対する根拠→3具体例を示す→4反対意見を提示する→5反対意見に対する反論・説得→6まとめで再度結論を述べる、というように細かく設定しておくことで、状況に合わせて小論文に書く内容を整理できます。
構成ができてしまえば、文章を完成させるまではあと一息です。
●ステップ5「文章にする」
ステップ1~4ができてから文章を書き始めます。
文章を書くとなると、時間が足りるか心配で、とにかく書き始めなければと焦ることもあるかもしれません。
しかし、しっかりと書くことを整理できてから書き始めましょう。 次の項では文章を書く際の注意点をお伝えしていきます。
3.書く際の注意点
●一文は簡潔に!
一文が長くなる文章は何を言いたいのかがわからなくなることが多いです。
文が長くなると文章の入口と出口で言っていることがずれてしまったり、主語が途中から変わっていたりして、伝えたいことが相手に伝わりません。
一文(。で区切られる文)の中にあまり要素を詰め込みすぎないようにして、接続詞などでつないでいくようにしましょう。
●オリジナリティのある案は必要なし
小論文において個性や独自性のある意見をださなければならない、と受験生は思うかもしれません。しかしポイントはそこではありません。。アイデアあふれる結論や解決策を出そうと考える必要はないのです。
時には専門家ですら意見が分かれるようなこと、例えば死刑制度や安楽死、少年法、コロナ対策など、賛否両論のあるようなテーマが出されることもあります。重要なのは意見の良し悪しよりも「根拠に基づいた意見」を論じられているかどうかが評価されているのです。
社会問題に対する基礎的な知識が身についているかきちんと論文が成立しているかが大事なのです。
●文章を書く際のルールから外れていないか
「だ・である」と「です・ます」が混ざっていたり、話し言葉になっていたりはしていませんか。
問題文の表紙に「最初の一文字を空ける必要はない」などのルールがあればそれに従いましょう。
制限字数の80%以上は書く必要がありますが、字数てオーバーは減点または失格となりますので、注意しましょう。
4.まとめ
小論文対策はあなたが高校1,2年生であっても総合型選抜(旧AO入試)を視野にいれているならば、
練習を開始してみても良いでしょう。
総合型選抜(旧AO入試)は、志望理由書、学習計画書、小論文、面接対策などさまざまな対策をしなければならず、早く始めるに越したことはありません。
反復して練習し、教師や塾の先生などに指導してもらい、精度を高めていきましょう。
また、並行して受験する学部・学科の専門知識や時事問題にも触れ、知識を蓄積しておきます。
これは小論文に限らず、総合型選抜(旧AO入試)での受験を考えているなら行っておくべきです。
ニュースを見てわからない用語が出てきたときや、問題を解いてその解答にもっと必要な知識が必要だと感じたら、特に法律や政治については調べておくと有利に働くことがあるかもしれません。
あおい予備校では、プロの講師が小論文を徹底指導しています。
小論文対策の授業ってどんな感じだろう?と思う方は、ぜひ体験授業を受講してみてください。
親御さんの世代にはあまり馴染みのなかった受験方法かとおもいますので、まずはご相談ください。
この記事を書いた人:武田 菜穂子(あおい予備校校長)
早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了。上智大学大学院(現 グローバル・スタディーズ 国際関係論専攻)修了。上智では日本人初の国連難民高等弁務官 緒方貞子氏に師事。県立高校教諭、大手証券会社を経て有名塾・有名予備校講師を歴任。
予備校講師歴35年以上。日経新聞など各メディアへの出演も多数。これまでに指導してきた生徒はのべ20,000名以上※。生徒一人ひとりの個性を生かした進路指導に定評がある。
※一般・総合型選抜(旧AO)、各種推薦など