AO入試を考えている人必見!志望理由書の極意。
◆目次
1.どんな書類の提出が求められるの?
総合型選抜(旧AO入試)は、第1次審査の際に書類選考として、さまざまな書類の提出が求められます。
【第1次選考の時に提出する書類の一例】
■志望理由書またはエントリーシート・・・大学を志望した理由を記載します。受験生の基本情報、志望理由、活動報告、自己PRをエントリーシートなど所定の様式でまとめて提出することもあります。
■調査書・・・高校が発行する書類で、学業成績や健康状況などがわかる書類。大学によってはこの調査書の評定平均値が一定以上ないと受験できない場合があります。
■自己PR・・・自分をアピールするポイントや強みをまとめたもので、受験生の人間性を見られます。アドミッション・ポリシーに沿って大学に合う自己PRをしましょう。
■学習計画書(学修計画書)・・・文部科学省の「大学等への修学支援の措置に係る学修意欲等の確認の手引き」によりますと、①学修の目的、②学修の計画、③卒業まで学びを継続し、全うする意志をまとめたものとなります。
2.志望理由書は最も重要!
書類選考で最も重要だといって過言ではないのが「志望理由書」(志望理由)です。
どうして志望理由書が大事なのかというと、
▶志望理由書は、書類選考の軸になる
▶志望理由書をもとに、面接(第二次選抜)が行われる ので、合否のカギを握るのです。
採点の比重として5割~7割が志望理由書であるとも言われています。足切りがある大学はほぼ志望理由書で合否が決まると言っても過言ではありません。
つまり、志望理由書のクオリティを上げることができれば、合格へ近づいていくことになります。
総合型選抜(旧AO入試)は学力だけでは測れない部分を評価し、大学の求める学生像(アドミッション・ポリシー)と合致する人をマッチングする選抜方法です。だからこそ、志望理由書で受験生の将来の目標や大学で学びたいことなどを知りたいのです。受験生は「なぜこの大学に入りたいのか」と「大学はこういう人材を求めていますよね」を大学に伝え、大学側に「会ってみたい」と思わせなければなりません。
3.まずは書いてみよう/構成
志望理由書はまず書いてみることからはじめてみましょう。とはいえ、全く何もない状態からは書けませんので、まずは書く内容を考えてみましょう。
自分の興味関心をクリアにする(自己分析)
↓
志望大学で探求することができるかを考える(志望大学との関わり)
↓
社会ではその分野が抱えている問題や可能性はどう認知されているかを考える
(展望や社会との関わり)
このように、自分の興味関心から志望大学について、さらに社会課題へと目を向けていきましょう。
では、とにかく実際にまずは書いてみましょう。
POINT1
将来の目的・目標を端的に示す
あなたの将来の目標や社会に貢献していきたいこと、目指す社会など、ゴールを簡潔に書きます。抽象的にならないよう、なるべく具体的に、簡潔に短く収めます。一文でまとめられるなら、それでも構いません。分量的には全体の10分の1くらいを目安にすると伝わりやすいです。
POINT2
目的や目標を持ったきっかけを書く
あなたが目指すことについて、どういうきっかけでそれを志すことになったのか、エピソードや感情を入れ込みながら伝えます。そして、それがいかに社会に必要なのかを示していきます。
POINT3
問題提起、課題の発見
他の受験生と差別化できるポイントです。どこにどう問題意識を持ち、課題を設定しているのかを書き込みます。大学は与えられた課題をこなす場ではなく、自ら課題を設定し、その課題に向けて学修計画を立てていく場になります。高校まではどちらかというと受動的な学びが主だったと思いますが、大学は能動的に主体的に進んで学んでいかなければなりません。何が、どのように問題なのかを論理的に示し、取り組む必要がある課題だ、取り組むべき問題だと思ってもらえるような文章を書く必要があります。
自分の思い込みだけで課題設定をしないように、文献調査やフィールドワークなどもできればより客観的な問題提起をできるでしょう。
例えば、「貧困問題、経済格差」を問題として掲げたとします。しかし、貧困問題や経済格差はテーマであって、問題提起ではありません。「家庭によって教育に差が生まれることが進学率や所得差を生み出している。このサイクルを止めるためにできることは何か」だとか「子ども食堂が子どもの貧困を救うための課題とは」など具体的な問題を定義づけていきます。
POINT4
問題解決方法を提示
問題・課題をどうすれば解決できるのかを考えていきます。ここで大事なのは、志望大学と関連付けることです。
POINT5
大学での学びにつなげる
大学のシラバスや教授について調べ、この大学でこそ、自分が発見した課題を解決できるのだと伝えることで、他の大学ではない理由も伝えられます。シラバスとは、大学の講義要項のことで、その講義・授業の目的や計画などが書かれたものになります。具体的に講義や教授のことを知ることで、自分の目的はこの大学だからこそ実現できるのだということを伝えることができます。
・課題解決のためにはどのような知識やスキルがあればよいのか
・そのために履修したい講義、どんなことを期待しているか
・教わりたい教授や入りたいゼミ
上記のような要素を入れ込むと具体性が増します。
とにかくまずは一度書いてみましょう。その際に意識してほしいのが、志望理由書は「面接の材料になる」ということ。誰かの文章やインターネットに書かれているものをコピペしてしまうと、仮に書類選抜が通ったとしても、面接で必ずばれてしまいます。
多少拙くても、自分の経験、自分の考え、自分の言葉を伝えることが大切です。
一旦書き終えたら、次は文章の推敲をしてみましょう。
4.まずは書いてみよう/推敲
Check1
文体の統一はできているか
「です・ます」もしくは「である」といった文体の統一はできていますか。文体はどちらでも良いので、書きやすい方を選択すればよいですが、これが統一されていることが重要です。また、同じ文末の文章が続くと、ブツブツと切れたような印象になりますので、こちらも合わせて気を付けてみましょう。
Check2
話の軸はぶれていないか
「自身の経験」、「将来の目標・目的」、「大学での学び」はぶれずにつながっていますか。いつの間にか論点や話の焦点がずれてしまっていたり、話の軸から脱線したりはないでしょうか。文章を書く場合、先に文章の構成メモを作成することもおすすめです。【目標】、【きっかけ】、【課題設定】、【解決策】、【大学での学び】などの項目を立てて、その下に書きたいことを箇条書きなどでメモをしてから書き出していくとぶれが少なくなってきます。
ひとまず書いてみました!という人は、逆に今書いてみた文章を構成メモにおこしてみてもいいかもしれません。客観的な視点で自身の文章を見ることができますよ。
もしかすると、とにかくまずは書いてみた人の中には、書く材料が足りず、だらだら間を埋めただけの文章になっている人もいるかもしれません。その場合はまだまだリサーチや分析が足りません。どこから手を付けたらいいかわからない場合は、拙い文章でも構いませんので、助言を求めてみましょう。
Check3
一方的な自己PRになっていないか
総合型選抜(旧AO入試)は、大学と受験生のマッチング入試です。だからこそ、一方的に入りたい思いを押し付けてはうまくいきません。
例えば、通販サイトなどでいかにその商品が素晴らしいかを伝えていたとしても、自分にとって使える利点や魅力がなければ買いませんよね。同じように、自分がこういう人物でこういうことがやりたい!という思いだけでは、大学側は「会ってみたい(面接したい)」と思ってくれません。
志望理由書は、受験生が「この大学に入りたい」という意思を伝える側面だけではなく、大学側が求める人材と合致しなければなりません。大学教授は一緒に研究をしていきたいと思える同志という目で見ています。独りよがりの自己PRにならないよう、きちんと志望する大学の学部・学科の求める人材に沿うようにしていきましょう。
5.客観的視点でアドバイスをもらおう
自分での推敲が終わったら、一度誰かに見てもらい、批評や添削をしてもらいましょう。
また、面接試験を想定して、志望理由書に書いてある内容について質問してもらう模擬面接を先生や友人にしてもらうのもいいかもしれません。内容の不備や問題点、改善が必要な箇所に気づきやすくなります。
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あおい予備校では、エントリーシート、志望理由書の書き方を予備校講師歴30年以上の講師が徹底指導しています。
「AO・推薦対策コース」では、総合型選抜(旧AO入試)に必要な事前提出対策を行っています。提出書類の完成保証付きなので、安心です。
大学によって志望理由書やエントリーシートなどのフォーマットが異なりますので、オーダーメイドで対応しています。「学びたいこと」や「自己PR」の配分も一緒に考えて、オンリーワンの書類をしっかりと完成させていきます。全15回の作成講座で手厚く指導していきます。
大学によっては志望理由書などを英語で書くことが求められる大学もありますが、正確な英語で書くだけでなく、表現力を磨き上げるためのサポートもしていきます。
あおい予備校では大学講師の経験者や大学院博士課程・修士課程修了などといった講師がそろっています。課題の設定や大学で何をやりたいのかといった部分は、アカデミックな視点が必要となります。学校の先生や現役大学生からではなかなか得られないサポートです。
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