AO入試で合格するための面接のコツ!よく聞かれる質問とは
総合型選抜(旧AO入試)では、ほとんどの大学で第2次選抜に面接試験が課せられており、面接では、志望大学に対する熱意やあなた自身の資質を見極められます。
第1次選抜の書類では、学業成績や課外活動での実績、志望理由などは伝わりますが、あなたの志望に対する熱量や資質、人となりなどはなかなか伝わりません。
何度も繰り返しになりますが、総合型選抜(旧AO入試)は、受験生であるあなたがその大学に入学するのにふさわしいかどうかをじっくりと審査していく選抜方式です。
大学教授は受験してくるあなたと共に研究をしたいと思えるかどうか見極めていくので、面接はかなり重要な要素です。面接対策は絶対にしておきましょう。
逆を言えば、面接で、大学側が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に自分を近づけて見せることができれば、合格はぐっと近くなります。
とはいえ、面接は苦手…という方も多いと思います。むしろ初めから得意という人がいれば、それは単なる思い上がりです。
面接には多くの受験生が苦手意識を持っています。緊張する、人前で話すのは苦手、とにかく不安…、そういった思いを抱えている人は多いのです。
だからこそ、きちんと準備し、対策をし、当日への不安をできるだけ解消できれば、苦手意識はずいぶん薄れ、落ち着いて面接に挑め、後悔のない面接をやり遂げられます。
今回のブログでは面接のコツについてお伝えします。
面接のコツ
▶想定質問の回答を丸暗記しない(質問の答えとずれないように!)
▶自己PRばかりしない・一方的にしゃべりすぎない
受験生はつい高校生活で力を入れてきたことを中心に自己PRをしがちです。輝かしい功績を残しているならば、一層PRしたいと思います。しかし、大学側や教授が聞きたいのは、「この大学に入ってどんなことをしたいのか」ということであり、共に研究を進めていく同志を探しています。
また、質問事項では、大学で学びたいことやそれに関連した質問が必ずありますので、これにアカデミックな視点で答えられることは非常に優位です。
▶想定質問の回答を丸暗記しない(質問の答えとずれないように!)
勘違いされることが多いですが、回答の丸暗記はおすすめできません。
忘れてはいけないことですが、面接はコミュニケーションです。
丸暗記された文章をそのまま伝えられるだけなら、書類だけで十分ではありませんか。
そうではなく面接をするのには、あなたのコミュニケーション力や、質問を的確に聞き答える力、熱意などを見たいからです。
質問の答えを想定した対策は必要ですが、丸暗記してしまうと、質問の意図と外れた答えになり、的外れな答えになってしまいます。「この手の質問が来たら、これについて伝える」などといった要素は覚えておいて、セリフとして丸暗記はしないようにしましょう。
ちなみに、もし、志望理由書として提出した将来像や目標・目的をあなた自身が書いていないとしたら、面接に対する応対も暗記する必要が出てくるでしょう。そうなれば、面接であなたの思いの薄さは簡単に見抜かれてしまいます。
▶結論を先に述べる
先に結論を述べることが、非常にわかりやすい回答の方法です。最後に結論を持ってくると、どれだけ丁寧に説明しても相手には何が言いたいのかわかりません。
例えば、大学の志望理由を問われたら「志した理由として大きく、〇〇〇と〇〇〇が挙げられます。まず……」、あなたの長所を問われたら「長所は〇〇〇なところです。私は部活動で……」などという形です。
▶アドミッション・ポリシーに沿う
総合型選抜(旧AO)入試は、大学側が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合った人材か否かを見られています。そのため、アドミッション・ポリシーをよく理解して、沿った受け答えをしましょう。
例えば、グローバルな人材を育てていきたいというポリシーを掲げている大学で、地域に貢献していきたいので地元のことを学びたいと言っても意味がありません。先人からの教えを大切にしている歴史深い大学では、歴史や文化の歩みをエピソードに盛り込んでいくことで、一目置かれるかもしれません。
アドミッション・ポリシーに近づけられるかは一つのカギになってきます。
▶マナーや服装に気を配る
基本のマナーは押さえておきましょう。姿勢や所作、礼儀などはもちろん、声の大きさや目線なども一通り押さえておきましょう。
ただし、練習は必要ですが、面接のマナーや礼儀作法の習得は必要最低限にして、それ以上に自分自身の志望理由や目標、大学で学びたいことの確認など、面接の内容の方に時間を使いましょう。
2.想定質問への対策をしておく
丸暗記の必要はありませんが、想定質問への対策は必要です。ポイントやエピソードとして要素を記憶しておくと良いでしょう。
■よく聞かれる質問①
Q.この大学(学部・学科)を志望した理由を教えてください。
この質問はあなたが志望大学・学部・学科とマッチしているかを見られる重要な質問の一つです。
まずは提出した志望理由書をしっかりと読み込んで、自らが、どのような経験をしてきて、今どのような状態にあり、どんな将来を描いているのかをきちんと落とし込んでおきましょう。
その上で、志望する大学では、その目標のために受けたい関心の高い具体的な講義があることや、専門分野の教授の名前や研究、先輩に聞いた体験談やオープンキャンパスでの出来事などリアルな情報を交えつつ、大学を志望した理由を伝えていくと、説得力が増します。
あなたの入りたいという熱意を伝えるチャンスです。しっかりと裏付ける理由とともに伝えていきましょう。
■よく聞かれる質問②
Q.高校生活で力を入れてきたことは何ですか。
高校生活での思い出や活動を聞く質問は、受験生にとっては約3年間の語れるリアルな内容があります。ここは、最も頑張ってきたことをPRするチャンスです。
第1次選抜(書類)で活動実績などを提出している場合は、内容よりもそこでの経験や思いに集中して語りましょう。
また、自分の経験を事実だけに納めることや、「頑張りました」や「楽しかった」などといった感想に留まることのないようにしましょう。
独りよがりな自分語りになりすぎないよう、質問の意図を理解した受け答えをしましょう。
大学側は高校時代の功績を聞きたいわけではなく、何を頑張り、その経験から何を学べたのか、何を得たのかを聞きたいのです。
例えば、「あなたが高校時代に打ち込んできたことは何ですか」という質問があったとします。
この質問はあなたの功績を知りたくて聞いているわけではないのです。例えば、「柔道部に所属していました。あまり成績が良くありませんでしたが、毎日練習を欠かさずに行うことで、最後には目標にしていた全国大会の出場が叶いました」などは事実を伝えるにとどまっています。
そこで何を達成したか、何を得たのかまで伝えられるとよいでしょう。
■よく聞かれる質問③
Q.あなたの長所と短所を教えてください。
長所は具体的なエピソードを交えて説得力を上げるようにし、短所は主体性のあるものにして、改善策を交えた回答ができると良いでしょう。
長所と短所を自分で見つけるのは案外難しいことです。例えば、家族や先生、友達になど周りの人から感謝されることや褒められることはありませんか。
あるいは、周りが嫌がっていても苦なくできていることはいかがでしょうか。こうしたことは長所につながっていることがあります。
また、長所と短所は表裏一体ということも念頭に置いて考えてみると、短所と思っていることが長所につながっていたり、長所から短所を導くことができるでしょう。
例えば、友人らからよく相談事をされるという人は、傾聴する力やアドバイスする力、人の話を聞いてそれをまとめる力などが長所としてあるかもしれません。
部活動や課外活動で何か計画をする際には、みんなの意見を聞いて整理することが自然できていたかもしれません。
逆に、自分の考えを主張することや、慎重すぎて判断が遅いなどを短所として挙げられるかもしれません。
長所や短所は一つだけではなく、複数あるものですので、大学での学びやアドミッション・ポリシーで求められる人材に近いものを盛り込んでいくと、大学に合う人となりや前向きな姿勢が伝わります。
■よく聞かれる質問④
Q.大学ではどのようなことを学びたいですか。
面接で大学側が最も知りたい知りたいのが、「大学でどんなことをしたいのか、何を学びたいのか」ということです。
自分の目的・目標とそれをどのように学んでいきたいかを答えなければなりません。
サークル活動やアルバイトなど、大学・学部・学科の学びに直接関係のないことではありません。
高校までの学びは与えられた課題をこなす受動的な学びが主でしたが、大学での学びは能動的で主体的な学びの場です。
学生は自ら課題を設定し、その課題に向けて計画を立てていかなければなりません。
将来の目標や目的、社会の課題などに対して、自分が取り組みたい具体的な課題とそのために大学をどのように利用して学び、研究を進めたいのかを答えていきましょう。
この質問には、アカデミックな視点を交えて答えることで、他の受験生と差別化できます。
その他にも、ニュースや社会問題に関する質問、併願についての質問、将来の夢(決まっていなくても大丈夫)などについての質問をされる場合があります。
3.あおい予備校の面接対策
あおい予備校の面接対策では、個人面接、集団面接、英語面接など、大学別に異なる形式に完全対応しています。また、客観的な視点を持つために動画撮影を行い、しっかりとチェックしていきます。
総合型選抜(旧AO入試)では、大学での学びに関するアカデミックな視点が合格のカギを握ります。
あおい予備校の講師陣は、大学講師の経験者や大学院修士・博士号取得者など、大学をよく知る立場の講師ばかりです。
また、現役大学生のサポーター「チューター」も在籍しています。その大学ならではのアカデミックな受け答えができるようにしっかりとサポートしてまいります。
この記事を書いた人:武田 菜穂子(あおい予備校校長)
早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了。上智大学大学院(現 グローバル・スタディーズ 国際関係論専攻)修了。上智では日本人初の国連難民高等弁務官 緒方貞子氏に師事。県立高校教諭、大手証券会社を経て有名塾・有名予備校講師を歴任。
予備校講師歴35年以上。日経新聞など各メディアへの出演も多数。これまでに指導してきた生徒はのべ20,000名以上※。生徒一人ひとりの個性を生かした進路指導に定評がある。
※一般・総合型選抜(旧AO)、各種推薦など