【校長ブログ】共通テスト英語の特徴とその対策についてー実は最も努力が報われる!

◆目次

1.2022年度 共通テストの振り返り

2.共通テスト受験が〈必須〉の私大が増加

3.共通テスト英語の内容について

4.共通テスト攻略に必要な力とは

1.2022年度共通テストの振り返り

皆様こんにちは。あおい予備校塾長の武田菜穂子です。

今回のテーマは「共通テスト英語の特徴とその対策について」です。

共通テスト実施2年目の今年、数学ⅠAの大幅な難化が話題となりましたが、他にも生物、日本史B、古文など昨年度よりも大幅に平均点が下がった教科が目立ちました。

一方、リスニングの得点が倍増したことで受験生の負担増が心配された英語は昨年度よりも平均点が上がっています。2年目ということで十分な対策が取られたのかもしれません。

さて、今回のテーマである共通テストの英語問題はどのような特徴を持っていて、どのような対策を取るべきなのかについてお話していきたいと思います。

2.共通テスト受験が〈必須〉の私大が増加

共通テストは、国公立大学受験者の1次試験だけではなく、私立大学の共通テスト利用入試に活用されています。

ただ共通テストの前身であるセンター試験と異なるのは、共通テストで受験した科目の得点が従来の独自問題の代わりに利用されるということです。

例えば、早稲田大学の場合、共通テストのみで合格者を決める方式の他に、政治経済学部、国際教養学部及びスポーツ科学部では、共通テストを受験していなければ一般選抜の出願資格がありません。

例えば、国際教養学部では、共通テストで「国語」が必須科目として受験、選択科目として地歴(日本史B・世界史B・地理B)、数学(ⅠA・ⅡB)または理科(生物・化学・物理・地学)からどれか1科目を受験し、2月の入試で独自問題の英語を受験するという具合です。

上智大学は、共通テストのみで合否が決まる「共通テスト利用入試」の他に、「学部学科試験+共通テスト併用型入試」では、共通テストで英語(外国語)・国語が必須科目で、地歴・公民または数学から1科目を選択、2月の入試では記述式の学部・学科独自試験を受験します。

他にも立教大学が一般選抜では文学部以外の学部で、共通テストの英語を必須とし(大学独自の英語の試験は行わない)他2科目を2月の試験で課す、というように、もはや共通テストでそれなりの得点をあげられなければ、2月の試験での勝ち目がなくなるという事態になっています。

これまでの私大対策では通用しない

私立大学だけを受験するから共通テスト対策はそこまで真剣に対策を取らなくても良い、

2月の本番にどうにか間に合わせられればよい、

といった、これまでのやり方は通用しなくなってきました。

共通テストの英語問題の難易度自体はそれほど変化していません。共通テストの英語の平均点の上昇は、難関私大受験者にとってこれまで以上に共通テストに真剣に取り組まなければならないという危機感の表れかもしれません。

3.共通テスト英語の内容について

さて、共通テスト英語の内容について説明しましょう。

リーディングは試験時間80分で、大問6問で全体の問題数は48問です。

センター試験時代は大問6問で全体の問題数が54問でした。よって、問題数だけを見るなら受験生の負担は減ったように見えます。

しかしながらセンター試験にあった発音・アクセント問題、文法・語法の知識を問う空所補充問題や語句整序問題といった受験英語の定番的な出題がなくなり、オール読解問題となりました。

英文のジャンルは案内文、ニュース記事、エッセイや論説文など多岐にわたります。

図表の読み取りが必要な問題もありますが、英文の内容についてはセンター試験から大きく変わったとはいえません。

ただ共通テストならではの出題があります。

プレゼンテーションのポスターの項目を埋める問題です。

これは英文の内容を要約する形式ものですが、リスニング問題にも見られる傾向です。

つまり共通テストの英語はひとつひとつの英文を「正確に訳せる」能力が要求されているわけではなく、必要な情報を取捨選択できる力が求められていると言えます。

4.共通テスト攻略に必要な力とは

ただ文法・語法の細かな知識が問われていないとはいっても、大量の英文を速く読めるようになるには文法の力は必須です。

共通テストから文法・語法問題が消えたからといって、文法を軽視した学習では実は高得点が取れない問題だと思います。

文法力が重要なのは、リスニング問題も同様です。

センター試験時代のように2回読みではなく、1回読みの問題が大半となった共通テストでは、英語の語順通りに理解する力が必要です。

リスニング問題は、聞こえた音声の同意文を選ぶものですが、これは文法を学習する時によく用いられる「書き換え」の要領になります。

共通テストリスニングで聞き取る英文の特徴としては、

  • アカデミックな内容が多いこと
  • グラフや図表のような複数の資料に目を通しながら聞き取る問題

が盛り込まれていることです。

当然ですが、センター試験時代のリスニングよりも要求される語彙レベルが高くなっていることも覚えておきましょう。

したがって、共通テスト英語はリーディング・リスニングのどちらも短期決戦で点を取りに行く問題ではなく、長期的視野に立ってアプローチしていくべき試験だと言えるでしょう。

英語は年度によって問題の難易度に差があまりないため、「努力が報われる」科目です。

試験のフォーマットにさえ慣れれば満点も夢ではありません。

この記事を書いた人:武田 菜穂子(あおい予備校校長)

早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了。上智大学大学院(現 グローバル・スタディーズ 国際関係論専攻)修了。上智では日本人初の国連難民高等弁務官 緒方貞子氏に師事。県立高校教諭、大手証券会社を経て有名塾・有名予備校講師を歴任。

予備校講師歴35年以上。日経新聞など各メディアへの出演も多数。これまでに指導してきた生徒はのべ20,000名以上※。生徒一人ひとりの個性を生かした進路指導に定評がある。
※一般・総合型選抜(旧AO)、各種推薦など

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