【校長ブログ】第6回 英検、TOEIC、TEAP、etc... 効果的な英語の学習法とは?

こんにちは。あおい予備校 校長の武田菜穂子です。
今回は英語の学習法についてお話したいと思います。

国公立大入試における英語外部試験導入の是非をめぐる騒動が記憶に新しい方も多いと思います。

結局、地理的・金銭的な不公平の問題により、今回の導入は見送られたものの、AO(総合選抜)・学校推薦でも一般入試でも、私立大学では英語外部試験の活用はだいぶ進んできています。

そういう意味では、英語外部試験とまったく無関係でいられる受験生は非常に少ないですし、共通テストにおいても、リスニングテストの比重が大きくなるため、これまでの英語学習とは違ったアプローチが求められていることは確かです。

◆目次

  1. 英語学習のポイント
  2. 文法のマスターが鍵
  3. 教科書は侮れない

英語学習のポイント

画像2

さて、今回のテーマである「英語学習」についてですが、2つのポイントがあります。
まず第1に英語学習の「目的とゴール」をどこに置くのかということと、第2に、その目的達成までの「期間」をどう定めるかということになります。この2つのポイントを明確にしておくことは、学習の効率を上げるためには不可欠です。

まず第1のポイントについて。テストに合格すること、あるいはスコアを上げることが目標であるのなら、そのテストの性格・特徴(どんな能力をどのような形式で測ろうとしているのか)を理解し、それに沿った学習をしていく必要があります。
近年の大学入試問題の傾向もそうですし、大半の英語外部試験にも当てはまりますが、大量の問題を短時間で解かなければならないので、じっくり読むというより、「何が書かれているか」「書かれていないか」といった「情報処理」的側面が強調されています。

1文1文丁寧に読むよりは、段落ごとにざっくりと「要約できる力」が求められています。テクニック的なことを言うなら、問題文と設問のキーワードが一致しているものを選べば良い、ということになります。この場合、第2のポイントである「期間」は数か月から1年程度ということになるでしょう。

文法のマスターが鍵

画像3

ただし、こうした試験対策が効果的になるのは、文法学習や単語を覚えるといった基礎的な訓練がなされていることが前提になります。

実は英語を得意にしようと思うなら、文法をマスターするのが早道です。

文法がわかれば、フレーズの丸暗記は不要になり、自分で考えて英文が書け、話せるようになります。文法力はリスニング力をも高めます。

その理由として、文法がマスターできていれば、この英文は正確かどうか、意味がきちんと伝わるかどうかを心配する必要がなくなります。

日本人の英語学習が機能しないのは、文法力が不十分だからです。文法さえわかれば、あとはインターネット上の辞書を駆使して適切な単語やフレーズを探し出すことができます。さらに、文法理解=構造理解ですので、英文の出だしさえわかれば、文末まである程度予測ができ、その結果読む速度が飛躍的に上がります。「拾い読み」「飛ばし読み」をしなくても、速読力がつくのです。

リスニングには英語を「語順通りに」理解する力が必要ですが、この力を支えるのが文法力です。単語を断片的に聞き取ることから、まとまった意味のある内容として理解できるかどうかは文法力がものを言うのです。

受験生の頃、当時定評のあった文法の問題集を繰り返し解き、複雑な英文がたくさん載っている読解の問題集と格闘したことが、英語で書かれた論文を読みこなし、英語で論文を書き、英語でプレゼンができるようになった私自身の英語力の土台を作り上げたと確信しています。

今や世界中の人たちが共通語としての英語を学んでいるのですが、そうしたグローバル・スタンダードが文法で、文法的に正しいからこそ、情報サイトで知りたいことを知り、動画サイトにもコメントが投稿できるのです。

教科書は侮れない

画像4

もちろん、受験生であれば、当然単語も覚える必要があります。どのくらいの単語を覚える必要があるかというと、大学受験生の場合、中学レベルの単語を含めると約3,000語と言われています。3,000語と聞いて、「え、そんなに多いの・・・」と思われましたか?

実は3,000語というのは学校の英語の教科書レベルに出てくる単語です。TOEICにも十分対応できる語彙力で、実際の使用頻度が高い語でもあります。この語数なら、ふだん使っている単語帳で十分カバーできます。さすがにNew York Times のような英字新聞をすらすら読みこなすにはこの語数では不十分ですが、各種テスト対策にはこれで間に合うはずです。

高校生の皆さんには、学校の教科書レベルをしっかり学習し、その上で受験予定の試験問題の傾向を知り、対策を取ることをお勧めします。

--------------------------------------------------------------------------

【スタッフよりひと言!】今回の塾長コラム、いかがでしたか?英語学習の方法について、「じゃあ文法はどうマスターするんだ?」と思われた方もいらっしゃるのではありませんか。朝日新聞デジタルさんで、以前塾長が連載をしておりますので、ご興味がある方はぜひご一読ください!私も大変参考になりました笑。

教えて武田先生! 就活TOEICのすすめ|朝日新聞デジタル就活ナビ就活生が武器にできるTOEIC。元公立高校英語教員・予備校講師の武田菜穂子がスコアを上げるための提案をします。www.asahi.com

それでは次回の塾長コラムをお楽しみに!

この記事を書いた人:武田 菜穂子(あおい予備校校長)

早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了。上智大学大学院(現 グローバル・スタディーズ 国際関係論専攻)修了。上智では日本人初の国連難民高等弁務官 緒方貞子氏に師事。県立高校教諭、大手証券会社を経て有名塾・有名予備校講師を歴任。

予備校講師歴35年以上。日経新聞など各メディアへの出演も多数。これまでに指導してきた生徒はのべ20,000名以上※。生徒一人ひとりの個性を生かした進路指導に定評がある。
※一般・総合型選抜(旧AO)、各種推薦など

受講相談フォーム
資料請求フォームはこちらから