共通テストについてー受験者数、教科、特徴、共通テスト利用入試まで解説します
大学センター試験から共通テストへ移行されて5年が経ちました。この記事では共通テストの概要(受験者数、教科など)、共通テスト利用入試、共通テスト利用入試の具体例などについて説明します。
◆目次
1.共通テストとは?

「大学入学共通テスト(通称、共通テスト)」は各大学が独立行政法人「大学入試センター」と協力して実施する試験です。毎年1月中旬の土・日曜の2日間に全国で一斉に実施されます。2021年度より、これまでの大学センター試験に代わり実施されてきました。
国公立大学の一般選抜受験者は、原則共通テストを受験しなければなりません。また、国公立大の場合、総合型選抜や学校推薦(公募制)であっても共通テストの受験を課している大学が多いです。
私立大学でも共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」を設定しています。受験生にとって、共通テスト対策は必須といって良いでしょう。
2.受験者数、教科、特徴
【受験者数】
前身のセンター試験の頃から見ていくと、受験者数はほぼ横ばいで約50万人〜60万人の間で推移してきました。共通テストに移行してからは少子化の影響もあり、45万人前後で推移しています。(下記の表は大学入試センターホームページ「センター試験 志願者数・受験者数等の推移」より作成)
開催年度(センター試験は5年ごと) | 志願者数 |
---|---|
1990年 | 430,542人 |
1995年 | 557,400人 |
2000年 | 581,958人 |
2005年 | 569,950人 |
2010年 | 553,368人 |
2015年 | 559,132人 |
2020年 | 557,699人 |
2021年 | 535,245人 |
2022年 | 530,367人 |
2023年 | 512,581人 |
2024年 | 491,914人 |
2025年 | 495,171人 |
【教科】
出題科目は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語・情報の7教科21科目で構成されています。2025年度から「情報」が追加されました。また、2022年度の学習指導要領改訂により、数学の科目が数学ⅠA・ⅡBから数学ⅠA・ⅡBCに変更となりました。
他にも地理歴史分野では、「世界史B」「日本史B」「地理B」から「歴史総合・世界史探究」「歴史総合・日本史探究」「地理総合・地理探究」に変更されています。公民分野では「現代社会」がなくなり、「公共・倫理」もしくは「公共・政治経済」という組み合わせでの受験科目となります。
地歴・公民は2科目受験の際、科目の組み合わせができないものがあるので、注意が必要です。
【特徴】
共通テストは、知識や解法の丸暗記で対応できる問題が少なくなり、複数の資料を組み合わせて答える問題が増えています。教科・科目を問わず、問題文を正確に読み取る国語力が要求されているのも特徴です。
3.共通テスト利用入試とは?―単独型と併用型がある

私立大学で行われており、共通テストの成績を合否判定に利用する入試方式です。
大きく分けると共通テストの成績のみで合否判定を行う「単独型」、共通テストの成績に加え大学が独自に実施する試験の成績もあわせて利用する「併用型」があります。
共通テストで必要とされる教科・科目を受験するだけで複数の大学に出願することができるため、国公立大を第一志望にしている受験生や地方在住の受験生など多くの受験生が利用しています。一般選抜と併用もでき、受験費用も一般選抜より安価です。
こうしたメリットもある一方、多くの受験生が出願するため倍率が高くなり、合格が難しい場合もあります。特に受験科目が少ない共通テスト利用入試は倍率が高くなる傾向があります。とはいえ、共通テストを受験するなら、共通テスト利用入試は選択肢の一つとして検討してみましょう。
4.共通テストの対策方法
共通テストは「思考力」「判断力」を発揮して解くことが求められ、グラフ・地図・文章など読み取る資料が多く、かつ分量が多い試験です。例えば、英語(リーディング)はセンター試験よりも総語数が2千語近く多いので、しっかり訓練しないと制限時間内に解き終わらない可能性が大です。
遅くとも、高校3年の夏休み頃には過去問を解きはじめ、まずは問題に慣れましょう。また、「思考力」「判断力」の元となるのは「知識」です。各教科で高校3年夏休みまでに基礎固めはしておきたいところです。
地歴や公民などの知識系の科目を後回しにせず、早めに取り組む必要があります。参考書や問題集を使って効率良く学習し、塾や予備校の対策講座を利用するのもオススメです。
5.共通テスト利用入試を実施する大学まとめ
まず、共通テスト利用入試ではなく、一般選抜の受験資格として共通テスト受験が必須の大学例を紹介します。
大学・学部名 | 試験内容 |
---|---|
早稲田大学政治経済学部 | 国・英・数ⅠA+選択科目を共通テスト受験。論述問題が独自試験 |
早稲田大学社会科学部(総合問題型) | 英・国・選択科目を共通テスト受験。英語及び総合問題が独自試験 |
早稲田大学国際教養学部 | 国(必須)+選択科目を共通テスト受験。英語が独自試験 |
早稲田大学スポーツ科学部 | 英(必須)+国または数を共通テスト受験。総合問題が独自試験 |
早稲田大学人間科学部(国英型) | 国(必須)+選択科目を共通テスト受験。英語・国語が独自試験 |
上智大学全学部 | 共通テスト3科目受験。学部別の独自試験 |
立教大学全学部 | 共通テスト「英語」が必須。他教科は独自試験 |
青山学院大学全学部 | 英語+1~2科目が共通テスト。残り1科目が独自試験 |
次に、共通テスト利用入試を実施する大学を紹介します。あくまで一例です。実際にどのような形で入試が行われているのか参考にしてみてください。なお、配点や科目などは大学によって異なるため、詳しくは大学ホームページをご覧ください。
【上智大学全学部】
上記の入試方式のほか、共通テストのみで合否を判定する共通テスト利用方式(3教科型・4教科型)も実施しています。国際教養学部、理工学部英語コース、SPSFを除くすべての学部・学科で全方式を実施し、出願資格を満たしていれば、各方式内の複数学部・学科や3方式の併願が可能です。
【明治大学全学部】
一般選抜の中で共通テスト利用入試(単独型)を実施しています。全学部で実施されますが、学部学科によって指定する科目数も異なり、科目数によって募集人員が設定されています。国語に「漢文」が含まれている点も注意しましょう。
【法政大学】
3教科型、全学部・全学科で実施します。GIS(グローバル教養学部)は出願資格として、英語外部試験を利用します。実施する複数の学部に併願ができます。
【津田塾大学全学部】
一般選抜C方式という名前で共通テスト利用入試(単独型)を実施しています。前期・後期に分かれ、全学部で実施されますが、3教科型・4教科型に分かれている学部もあります。
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